2017年から急激に注目され始めた仮想通貨。
将来は金、ドルや円などに置き換わる可能性があるとも言われています。
送金速度やセキュリティが高いことで知られていますが、どのような仕組みで取引が行われているのでしょうか。
この記事ではいくつかの仮想通貨を例にとり、取引の認証方式であるPow(Proof of Work)とPos(Proof of Stake)についてご紹介します。
- 仮想通貨のアルゴリズムはPowとPosの2種類の認証方式がある
- Powの代表的な仮想通貨はBitcoinやEthereumである
- Posの代表的な仮想通貨はDashやNeoである
- Posには、dPosという種類がある
Contents
PowとPosの違いとは何か
PowはProof of Work、PosとはProof of Stakeの頭文字をとっています。
Proofとは”証明”という意味で、Workは”計算”・Stakeは”関与”という意味を持ちます。
日本語に直すと、Powは「計算の証明」、Posは「関与の証明」となります。
仮想通貨は、ブロックチェーンという技術を元に成り立つものです。
ブロックチェーン内のブロックの中にPowやPosで正しいと判断された取引情報が格納されていくのです。
それでは、PowとPosの違いについて具体的にみていきましょう。
Powとは何か?
ビットコインを例にとってご説明します。
ブロックチェーン内で承認されたビットコインのブロックには、ある数字が含まれていなければなりません。
ビットコインの場合は32ビットの数字が該当し、先頭に任意の0がついた数値を含むブロックが正しいと判断されます。
以下の表は、実際のブロックを示します。
黄色にマークされた行が承認されたブロックです。
一番右列を見ると、最初の数字が0となっていることがわかります。
このように、Powはいかに多くの数値を試行して正しい数列を見つけるかということが重要になります。
“多くの数値を試行する”とは、言い換えればパソコンによる計算(マイニング)が必要になります。
このことから、Powはハイスペックなパソコンで長時間の稼働が必要になるため消費電力が問題になることが多々あります。
ビットコインのように多くの人(企業や政府)がマイニングに参加している場合は、個人でマイニングをするのは難しいですが、あまり世に知られていないPowの仮想通貨を見つけてマイニングをすることも可能です。
Posとは何か?
Posの場合パソコンによる計算で取引が承認されるのではなく、その仮想通貨の保有量・保有時間が多い・長い人が取引の認証権を持ちます。
つまり、Powとは違い多くの電気量を必要としません。
指定された場所に一定量の仮想通貨を一定時間預けておくことで、取引の認証に参加し報酬を得ることができます。
もちろん保有量や保有時間が短いと取引の認証に参加することができず、報酬を受け取ることはできません。
Posの一番のメリットは、ハイスペックなパソコンや大量の電力を必要としないことです。
Powの代表格はBitcoinとEthereum
Powを採用している仮想通貨の中で、もっとも有名なのはBitcoinです。
Bitcoinは2017年の夏にハードフォークにより分裂を起こしたことがありましたが、この時に誕生したBitcoinCashも同じPowを採用しています。
そのほか、EthereumもPowを現在採用しています。
しかし今後アップデートによって、PowとPosのハイブリッド型のものを導入する予定だと発表されています。
このように、PosとPowの違いだけでなく両方の良い面を組み合わせる動きも出てきました。
Posを採用しているDashとNeo
Posを採用している仮想通貨で、よく知られているのはDashとNeoではないでしょうか。
Dashは、特殊なアルゴリズムを使ったセキュリティの高さと匿名性が人気の通貨です。
アフリカ諸国の発展途上国で採用の動きがあるなど今後も注目すべきPos通貨でしょう。
Neoですが、これも”中国版のEhtereum”と言われており人気の高い仮想通貨の一つです。
Neoを保有しておくことで報酬として、Neogasという通貨が保有者に付与されます。
dPosを採用しているTezos
Posの発展系としてdPosという認証方式もあります。
dPosとは、通貨の保有数に応じて投票権が与えられ取引承認者を決めることができるシステムです。
もし自分が投票した人が取引を正常に行うことができれば、配当を受け取ることができます。
dPosは、Tezosが採用しています。
Tezosは2017年の7月に資金調達が行われました。
その結果、実に2億3000万ドルもの資金獲得に成功しています。
Tezosはすでにいくつかの取引所で上場されています。
仮想通貨を持つ保有者は、誰に取引認証をさせるかの投票権を得ることができます。
その投票権の強さは、どのくらい仮想通貨を保有しているかの量によって決まります。
つまり、dPosを認証方式として持つ仮想通貨は保有量が多い人がよりブロックチェーンの認証に関与できることになり、自分が投票した人がしっかりと取引の認証を終えた場合は配当を得ることができます。
ビットコインのようにパソコンの性能を競いあって電気消費量を増やすのではなく、通貨の保有量で取引を認証していく方式となります。
まとめ
現在の仮想通貨業界では、どの通貨が将来広く使われるかまだわからない状態です。
認証方式一つをとっても、今回説明したPow・Pos以外にもPocやPoIなど多くの種類があります。
それぞれの認証方式を理解しておくことで効率よく自分の仮想通貨保有量を増やすことができるので、仮想通貨を選ぶ際は認証方式も考慮に入れると良いと思います。
この認証方式を採用している仮想通貨は、Ripple(リップル・XRP)です。
この方式は、すでに信用ある機関がブロックチェーンを維持するためにサーバー(パソコン)を管理し、取引認証を行うことを言います。
取引認証を行う機関が決まっていることから、認証にかかる時間は短く信用ある機関の裏付けがあることで仮想通貨の価値が保証されるというメリットがあります。
この認証方式を採用している仮想通貨は、XEM(ネム)です。
PoIは、非常にPosと似た特徴を持ちます。
唯一違う点は、その通貨を使用した量に対しても報酬が与えられます。
つまり、自分が保有している通貨がブロックチェーン内でより多く使われることになればその通貨の保有者は配当を受け取ることができます。