2017年末に熱狂的な値上がりを見せた仮想通貨は、2018年には成長の頭打ちを見せその取引量を減少させています。
その中で大手企業は相次いで仮想通貨業界へ参入しており、ブロックチェーンや仮想通貨そのものの価値は決して落ちていません。
香港に拠点を置くブロックチェーンスタートアップ企業「Crypto.com」は仮想通貨のこのような状況を踏まえ、仮想通貨そのものの課題を解決するためのサービスを講じています。
・Crypto.comが仮想通貨に対応したデビットカードを発行
・Crypto.comは仮想通貨を使った貸金業を検討
仮想通貨の課題とは?
仮想通貨の今後の課題は、実際の生活での実用性を求めていくことにあるとされています。
2018年9月8日に行われたEthreumブロックチェーン会議でEtreumnの創業者であるVitalik Buterinは仮想通貨を「ただの関心から、実在する経済活動における実用に転換させる」必要があると説いています。
現状、社会の大部分ではブロックチェーン技術はいまだに浸透しておらず、仮想通貨を使って決済ができるお店なども限られています。
仮想通貨やブロックチェーンの技術そのものは高く評価され、その価値を落としていない反面で一般ユーザーにとって「使いやすい」サービスは発達しておらず、実体経済への転換が進んでいない点が今後の仮想通貨の課題なのです。
Crypto.comが仮想通貨に対応したデビットカードを発行
Crypto.comはMONACOという仮想通貨を使い、仮想通貨に対応したVisaデビッドカードの発行を発表しました。
シンガポールのVisaから承認を受け、発行を発表した2018年9月から2か月で10万枚を発行する予定で、アジアを中心に利用可能です。
このデビットカードはCrypto.comのリリースするアプリと対応させることで使用することができます。
発行自体は無料ですが、MONACOの保有量に応じてカードのランクが上がり利用額の一部がキャッシュバックされるようになっています。
Bitcoin、Ethreum、Litecoin、Binance Coin、そしてMONACOの5種類の仮想通貨を、使用時点のレートで即座にアメリカドル、シンガポールドル、香港ドルのいずれかへ換金します。
従来仮想通貨で決済をするには仮想通貨に対応したシステムを店側が用意する必要がありましたが、このデビットカードを使えばより気楽に仮想通貨を日常の生活で使うことができます。
Crypto.comは仮想通貨を使った貸金業を検討
Crypto.comは更にこのVisaデビットカードを持つ人を対象とした、仮想通貨を使った貸金業を検討しています。
現在では貸金業のライセンスをシンガポールと香港で獲得しており、より展開させる方針です。
仮想通貨は価格変動が大きく、貸す側も借りる側もリスクがありますがCrypto.comでは保有する仮想通貨のおよそ40から60%を貸し出す上限と定めており、負担は少なく、債権回収も容易だとしています。
デビットカードや貸金業と言ったCrypto.comの新しいサービスが今後仮想通貨業界にどのような影響を与えるか、見守っていく必要があるでしょう。