コーネル大学の Initiative for Cryptocurrencies and Smart Contracts 暗号/スマートコントラクトプロジェクト




この記事のポイント

・Tezos財団の支援でコーネル大学が2年間のSmartContract研究プロジェクトを開始
・SmartContractとは「効率的な合意システム」
・「SmartContract」の定義は一義化に至っておらず、問題点もある。

Initiative for Cryptocurrencies and Smart Contractsは、コーネル大学がテゾス財団より助成金の交付を受け、2年間の期間をかけて研究を行う暗号/スマートコントラクトプロジェクトのプロジェクトです。

最近、暗号通貨のニュースなどでSmartContractという単語を見かける機会が多くなっています。SmartContractとは、契約の交渉と履行を円滑に進めるために使用されるコンピュータプロトコルです。これを導入することによって、電子上で完結した契約が可能となり、書面は不要となるわけです。書面による契約書を廃止することで、暗号通貨の取引においては契約の安全性が向上すると共に、コスト削減にもつながるとされています。狭義の意味では、仮想通貨EthereumのThe DAOというネットワーク上でかつて動いていたプログラムのことを指しています

SmartContractという概念そのものの成立は仮想通貨Bitcoinの誕生よりも古いものです

SmartContractという考え方は1990年代、法学者・経済学者であるNick Szabo博士によって最初に提唱されました。Szabo博士はSmartContractの最も古い事例として、飲み物の自動販売機を上げ、「利用者が購入に必要な金額を自販機に投入する」「任意で特定の飲料を示すボタンを押す」という条件を満たした場合にのみ、「利用者が指定した飲料を提供する」という契約が実行されるというプロセスが、SmartContractの概念に該当するとしています。

SmartContractのメリットと問題点

SmartContractという言葉は広義化しており、現状、その定義が一義化しているとはいえない状況です。Contractの指し示す意味も、法的な「契約」という意味から「合意」へと変化し、現在では「効率的な合意システム」として解釈されることが多くなっています。

仮想通貨のブロックチェーン上でSmartContractを実行すると、契約の改ざんがされないことが保証されます。また、人を介することなく確実な執行が約束され、「効率的な合意システム」として働くことになります。しかし、プログラムである以上、バグや脆弱性のリスクがあることも確かで、不正な処理によって誤った情報が書き込まれる、情報が改ざんされる危険性もはらんでいます。また、人を介さないプログラムでの契約であるために、曖昧な契約内容や高度な解釈を要する免責事項などの定義は困難なため、すべての契約に対応できるわけではありません。