自社の金融サービスにリップル社の技術を導入したマレーシアのCIMB

CIMB(Commerce International Merchant Bankers)はマレーシアで2番目に規模の大きな銀行です。東南アジアを中心に1350万人の顧客を抱える重要なメガバンクですが、2018年11月、金融サービスを強化するためにリップル社と提携し、分散型台帳技術の「xCurrent」を導入したことがわかりました。

CIMBについて

・東南アジア第5位のメガバンク
・xCurrentを導入
・リアルタイムな国際送金を可能にする

東南アジア第5位のメガバンク

CIMBは、東南アジア全体でも特に規模の大きな銀行です。グループ全体で従業員を3万人以上を擁し、資産規模は東南アジア第5位の1253億ドルを超えます。また、東南アジアを始め、15カ国に約850の支店を構え、顧客は1350万人にも上るメガバンクです。

xCurrentを導入

2018年11月、CIMBがリップルネットに加入したことを発表しました。また、リップル社によると、同銀行と戦略的なパートナーシップを結ぶことで、ASEAN諸国内でのローコストでスピーディーな国際送金が可能になるとのことです。CIMBが導入するのは「xCurrent」という分散型台帳技術で、これを同銀行の送金システムである「SpeedSend」に活用することで、従来よりも効率的な送金が可能になります。すでにアメリカ、イギリス、オーストラリア、香港などを経路とした即時送金が可能になっており、今後はリップル社のソリューションを活用して、ユースケースをさらに拡大する予定です。

リアルタイムな国際送金を可能にする

CIMB が導入したxCurrentとは、簡潔に表すなら、銀行間でのリアルタイムなコミュニケーションツールとでも言うものです。異なる国同士の銀行間で送金を行うには、まず、送金側と受取先の口座や送金する金額などの情報を把握し、次に送金が完了した時には二つの口座の同期を行わなければなりません。xCurrentは、メッセンジャーとInterledger Protocolを使ってこれをリアルタイムに処理します。これにより手数料が高く、送金に時間がかかり、資金の流れが不透明という従来の国際送金のデメリットが解消されることになるでしょう。東南アジア向けの国際送金は、今後急増すると予測されており、CIMBにとって今回のパートナーシップは大きな意味を持ちます。同時に、リップル社にとっても、成長性の高い地域に拠点を築いておくことは戦略的に非常に重要です。