遺言司法証拠記録検索システムによって終活の透明性がアップ?

この記事のポイント

■中国で遺言司法証拠記録検索システムがリリース
■ブロックチェーン上のデータを裁判官がニーズに応じて閲覧
■2013年に立ち上げられた公益プロジェクト

5年の年月をかけたプロジェクトがついにリリース

遺言司法証拠記録検索システムとは中国で開発が行われていた公益プロジェクトの一つで、ブロックチェーン技術が採用されていることで注目を集めています。中国ではブロックチェーン技術をリアルな社会に適用するためのプロジェクトが積極的に進められていますが、遺言司法証拠記録検索システムもその一つと言えるでしょう。このプロジェクトは2013年に開発がスタートしましたが、2018年10月についに正式にリリースされて実用化が始まりました。

遺言司法証拠記録検索システムはどんなシステム?

遺言司法証拠記録検索システムがどのようなプロジェクトかというと、故人の証明証書やデジタルデータをブロックチェーン上にアップロードし、ニーズに応じて裁判官などが閲覧可能となるシステムです。ブロックチェーンには、過去のデータにさかのぼって改ざんすることが難しいという特徴があるため、より透明性かつ正確な遺言証拠記録を可能にしてくれると期待されています。

故人が残す遺言は、とかくトラブルが起こりやすいものです。遺言司法証拠記録検索システムを採用することによって、故人に関するデータをすべて中国当局のネットワーク上にアップロードすることができるようになりました。そして万が一のトラブルが起こった場合には、これらの資料をニーズに応じてダウンロードして裁判では証拠として使うことができます。さらに、裁判官は裁判当日にこうしたデジタルデータをオンラインで閲覧することもできるため、裁判の効率化やスピードアップにもつながることでしょう

中国で確実に進む国民のデジタル管理

中国は、仮想通貨の導入に関してはそれほど積極的ではありませんが、仮想通貨の構造を作り出しているブロックチェーン技術に関しては、積極的に開発を進めています。遺言司法証拠記録検索システムもその一つなのですが、他にも多くの国民を抱える中国ならではのデジタル管理化が進められていて、政府が公益プロジェクトとして登記簿から税金・光熱費の支払いにおけるまでブロックチェーンを活用することが推し進められているのです。今後は世界規模で確実に広く普及すると予想されているブロックチェーン技術ですが、日本でも少しずつ浸透してくることになるのかもしれませんね。