中国での規制と金融ニーズに応えるブロックチェーンアプリケーションエコシステムFISCO BCOS

 

FISCO BCOSとは、中国の「Financial Blockchain Shenzhen Consortium(FISCO)」というコンソーシアムによるブロックチェーンプラットフォームです。FISCOは、Tencent、Huawei、テンセント傘下のWeBankなど中国の大手企業が創設したコンソーシアムで、大手銀行など100以上のメンバーを擁しています。2018年11月12~16日にシンガポールで開催され、世界130か国から4万5千人を動員した第3回フィンテック・フェスティバルでデビューしました。

FISCO BCOSについて

・中国の規制を満たすブロックチェーンアプリケーションエコシステム
・オープンソースでユーザーが自由に利用可能
・CordaやHyperledger Fabricがライバル

中国の規制を満たすブロックチェーンアプリケーションエコシステム

FISCO BCOSは、一般ユーザーに向けた新しいタイプのブロックチェーンアプリケーションエコシステムです。中国での規制を満たしつつ、金融業界の要求にも応えられるように構築されているのが大きな特徴となっています。ブロックチェーン技術は、トランザクションを記録するための承認などユニークな点が評価されてきましたが、承認に時間がかかるため、即時性が低いのが競争の激しい現在のビジネスでは弱点とされてきました。FISCO BCOSはそれを克服するために、毎秒1000以上のトランザクションを処理できるよう開発されています。と同時に、中国の規制当局の要求を満たすため、監視者が観測用ノードでリアルタイムのデータにアクセスできるようにもなっているのが特徴です。

オープンソースでユーザーが自由に利用可能

FISCO BCOSはオープンソースであり、すでに多くのアプリケーションがプラットフォーム上に開設されています。サプライチェーンや金融分野だけでなく、観光、求人、著作権取引、ゲームなどに関連するアプリケーションを一般ユーザーがローンチしている模様です。

CordaやHyperledger Fabricがライバル

FISCO BCOSのようなブロックチェーンアプリケーションエコシステムは、すでにいくつか世界の産業で活用されています。たとえば、カード会社のコンソーシアムに採用されているR3社の分散型台帳プラットフォーム「Corda」が有名です。オープンソースのブロックチェーン基盤「Hyperledger Fabric」も、大手企業が共同でそのコミュニティ内で技術開発や検証などを行っている模様です。FISCOは、これらがFISCO BCOSの直接のライバルと考えています。