個人投資家向けに発行される中国ブロックチェーン業界白書

この記事のポイント

■鲸准が発行
■中国国内、BAT、上場企業におけるブロックチェーン状況を報告
■国の基準と法的保護を2019年に定めることを計画

年に1度発行されるレポート

中国ブロックチェーン業界白書は、中国の工業情報化部である鲸准が年に1度発行する報告書のようなもので、毎年春から夏にかけての時期に発表されています。この中国ブロックチェーン業界白書は中国国内で注目されているだけでなく、各国からも注目を集めているのが特徴ですが、その背景には中国ではブロックチェーン技術を政府のプロジェクトとして積極的に推し進めていることがあります。

2018年5月に発表された中国ブロックチェーン業界白書によると、中国国内ではすでに基本的なブロックチェーン産業が構築されていて、国内でブロックチェーンを主業務とする企業の数はなんと456社にも達しているようです。そして、すでに一つの産業としての地位を確立し、一定規模を備えたという点が報告されています。

ブロックチェーン技術が導入されている分野は広い

中国ブロックチェーン業界白書によると、中国国内でブロックチェーン技術を取り入れている企業はとても多く、その分野や業界は多岐にわたっています。ハードウェア製造やプラットフォームサービスを始め、メディアや人材サービスの分野にも進出していて、幅広い分野や業界の企業達からもサポートを受けているようですね。

2018年の中国ブロックチェーン業界白書では、今後中国国内におけるブロックチェーン産業は高度成長期に突入することが予想されています。起業家と資本の両方が継続的に流入することによってブロックチェーン関連企業が急速に成長し、この技術を取り入れた企業が多く設立されることも予想されています。実際に中国では、2014年あたりから企業数が増え始めましたが、16年には新設企業の数が増えるなど、新しい企業の設立がトレンドとなっている状態です。ブロックチェーンの普及とともに、次世代の技術を取り入れた企業の数は今後どんどん増えていくことでしょう。

ブロックチェーン分野における投資もピーク

高度成長期を迎える産業においては、投資家たちからの資本流入も期待できます。中国ブロックチェーン業界白書によると、ブロックチェーン関連企業への投資件数は、18年の段階では249件となっていて、16年の60件と比較するとかなり増えていると報告されています。さらに、18年第1四半期だけでも投資件数は69件となっているため、18年および19年あたりにピークを迎えるのではないかと考えられています。