香港証券取引所への上場をあきらめたマイニング用チップ製造会社の「Canaan Creative」

Canaan Creative(以下、Canaan)は、中国の北京に本社を構えるマイニング用チップ製造会社です。2013年にChen Min氏らによって設立されました。2018年、香港証券取引所への新規株式公開(IPO)を試みましたが、申請後6カ月が経過し、失効となりました。2019年には、ニューヨークでのIPOを検討中と報じられています。

Canaanについて

・驚異的な成長を見せるマイニング用チップ製造会社
・香港証券取引所へのIPOは失効
・2019年にニューヨークでの上場を目指すとの報道

驚異的な成長を見せるマイニング用チップ製造会社

マイニング用チップの製造では、世界のシェアの8割を占めるBitmainが業界最大手ですが、同じ北京に本社を構えるCanaanは、Bitmainに次ぐ2番手として高い業績を上げています。そんなCanaanが、Bitmainより先に香港証券取引所への上場を目指してIPOを申請したのが2018年5月です。その際、香港証券取引所で公開された目論見書によると、2017年、Canaanは13億800万元(約225億円)もの営業収入を上げました。前年比では4倍増もの驚異的な成長です。2017年の純利益に至っては、前年比の7倍近く3億6000万元(約62億円)となっています。このように、Canaanは、ここ数年で目覚ましい成長を遂げる企業です。

香港証券取引所へのIPOは失効

しかし、2018年11月、Canaanが申請中だった香港証券取引所へのIPOは、6ヶ月を経過して失効したことが報道されました。申請時の提出書類に資金調達の目標額は言及されていませんでしたが、一部の報道では10億ドルを目指していたとされています(ロイターの報道では少なくとも4億ドル)。関係筋によると、今回のCanaanのIPOについて、規制当局や香港証券取引所が同社のビジネスモデルについて複数の疑問を感じていたことが伝えられています。

2019年にニューヨークでの上場を目指すとの報道

2019年1月、Canaanは香港証券取引所への上場をあきらめ、ニューヨークでIPOを試みているようだとの情報をブルームバーグが報じました。報道によると、Canaanは早ければ2019年の前半には株を販売するとのことです。一方、Canaanの最大のライバルであるBitmainですが、同じく2018年に香港証券取引所への上場を目指してIPOを申請しましたが、こちらもまだ承認されていません。