通信企業AT&Tがブロックチェーンで特許を出願

 

この記事のポイント

■ユーザー同士の行動履歴をブロックチェーンで記録
■SNS上で行うマッピング技術として特許を出願
■AT&Tはアメリカ大手の通信企業

AT&TがSNSマッピング技術で特許を出願

AT&Tとは、アメリカ大手の通信企業の一つで、これまでブロックチェーン技術を用いたソーシャルメディア上での機能拡張などに尽力してきた企業でもあります。そのAT&Tが、2018年12月に、ソーシャルメディア上でユーザーが利用できるマッピング技術に関して特許を出願したと発表しました。

この特許出願においては、ユーザーが利用履歴をブロックチェーン上で管理できるというものなのですが、他社のブロックチェーンアプリや機能をAT&Tのプラットフォームに乗せたというわけではなく、AT&Tが独自に開発したブロックチェーンソリューションだと考えることができます。

業務の効率化や自動化が目的

AT&Tが特許を出願したブロックチェーン技術の内容には、業務の自動化や電子化、そして情報を管理・追跡するといった業務にブロックチェーン技術を活用するというものがあります。これにより、業務プロセスをシンプルにするとともに、透明性を高めることを目的としています。ブロックチェーン基盤ソーシャルメディア履歴マップ(Blockchain-Based Social Media History Maps)とネーミングされた特許出願申請書には、ユーザーに分かりやすいより具体的な内容や機能が明記されています。

例えば、各SNSのプラットフォームを行き来する場合には、ユーザーがどのSNSを利用したのかを自動的にトラッキングすることができる機能があります。ユーザー自身がトラッキングするのではなく、SNS開発者向けの機能なのですが、ユーザーがどんなSNSをどんな風に利用する傾向にあるのかを把握することによって、更なるSNSサービスの向上につなげたいという意向があるのかもしれません。

ターゲットはビジネスや企業

今回AT&Tが特許を出願した内容は、ブロックチェーン技術を活用しているという点で注目を集めています。しかし、実際にSNSを利用するユーザーにとっては、どのSNSをどのぐらいつかったのかということを追跡する機能は、喉から手が出るほど欲しいという機能ではないかもしれません。しかし、企業やビジネスにとっては、ユーザーのこうした傾向を知ることによって、ビジネス戦略や方向を決定する際には大きなカギとなる要素です。そのため、今回のAT&Tの特許出願は、主にビジネスや企業に向けた活用方法の提案というカテゴリーに分類されるようです。