ブロックチェーン分野のセキュリティ強化のため中国政府と提携したネットサービスのTencent

Tencentは、1998年創業のインターネットサービス会社で、ゲーム、SNS、メッセンジャーなどさまざまなサービスを提供しています。ゲームではマイクロソフトやソニーを上回る世界最大の収益を誇り、アプリの収益も同様に世界一の規模です。そんな中国大手のTencentが、2018年6月、政府と提携して中国ブロックチェーン安全保障同盟を結成しました。

Tencentについて

・世界トップクラスの企業
・世界中で幅広い領域に力を持つ
・ブロックチェーン関連の高い技術力が見込まれ政府と提携

世界トップクラスの企業

Tencentは1998年、馬化騰氏によって広東省深圳市で設立されました。あらゆるネットサービスを手がけるほか、ユービーアイソフトやアクティビジョン・ブリザードなどのゲーム会社の大株主でもあります。2017年には、アジアで初めて5000億ドルを突破した企業となりました。現在ではグーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフトと並んで世界五大企業の一つに数えられています。

世界中で幅広い領域に力を持つ

Tencentが大株主となっているのは中国企業だけではありません。PCゲームで世界最大規模を誇るライアットゲームズ社や、ゲームエンジンで大成功したEpic Games社などのアメリカの大企業や、モバイルゲームで有名なフィンランドのスーパーセル、モバイルチャットのカカオトークで知られる韓国のカカオなど世界中に渡っています。また、アマゾンエコーやテスラの自動運転車のセキュリティ向上に協力していたり、ハリウッド映画の製作にも携わっていたりなど、幅広い分野において強い影響力を持っている企業です。

ブロックチェーン関連の高い技術力が見込まれ政府と提携

Tencentはブロックチェーン技術の開発にも力を入れており、2018年には、子会社のTencent FiTが、政府関連の団体が主催したブロックチェーン技術の信頼性評価で第1位に選ばれています。このように高いテクノロジーを持つTencentということで、中国政府もブロックチェーン分野のセキュリティを強化するために、同社と提携して中国ブロックチェーン安全保障同盟を作ることになりました。中国では、仮想通貨やブロックチェーン関連の犯罪が増加しており、つい最近も仮想通貨のねずみ講で1万3000人以上の投資家が資産を騙し取られる事件が起きたぐらいです。Tencentは、こうした詐欺や不正をなくすために中国政府と提携して、健全なブロックチェーンエコシステムの構築を目指していくことになります。