アメリカの最大手金融機関Bank of Americaが仮想通貨関連で特許を取得

 

この記事のポイント

■顧客から預かった仮想通貨を保管するためのシステムに関する特許
■セキュリティ面で多くのメリットが期待
■表向きには仮想通貨に対しては否定的な立場を表明

Bank of Americaはアメリカ最大手の金融機関

Bank of Americaはアメリカ国内では最大手の金融機関で、企業向けの金融サービスや個人向けのサービスを多数提供しています。Bank of Americaではもともと、仮想通貨に対しては否定的な立場をとっていたのですが、2018年11月には、顧客から預かった仮想通貨を安全に保管するための企業システムに関して特許を取得したことを発表しました。

もともとこの特許は2014年に出願されたもので、そこでは企業の口座に預託されている仮想通貨が複数存在する場合には、一つにまとめることが理想的な結果を生む可能性がある、と指摘しています。

具体的にどんな事例に適用できるのか?

Bank of Americaが取得した特許を適用することによって、得られるメリットはたくさんあります。例えば、顧客の口座と企業の口座との間の取引や情報処理を、より安全に素早く実行できるようになることが挙げられます。例えば、顧客の口座の代理で企業が取引を行えるようになったり、ニーズに応じて顧客の口座へ入出金することも可能となります。さらに、秘密キーの保管方法やパブリックキーの保管方法、金庫鍵の保管方法などについても、特許を取得しています。

さらに、顧客が複数の仮想通貨を持っている場合には、一つの法人口座にまとめることによって、仮想通貨の交換の際に第三機関やほかの取引所を利用する必要がなくなり、手間やコストの削減につながることも指摘しているようです。

ブロックチェーン技術には興味が高い

Bank of Americaは、仮想通貨に対する姿勢という点では否定的ながらも、時代の流れを無視することなく、仮想通貨と金融業界がどのように対応していくのかを見据えて上で、数年前から開発を行ってきたものと考えられます。また、仮想通貨そのものに対しては否定的でも、仮想通貨を支えているブロックチェーン技術に対しては、Bank of Americaはとても積極的で、これまでにすでに50以上の特許申請を行っているほどです。これから確実にやってくるだろうと言われている仮想通貨やデジタル資産管理の時代に向けて、Bank of Americaは少しずつ準備を始めているのかもしれません。