ブロックチェーン技術のサービス提供を手掛けるAtato(アタト)社とは?

 

この記事のポイント

■タイを拠点にするブロックチェーン・サービス・プロバイダー
■ドイツの食品加工会社グスタフ・ゲーリッヒ社のブロックチェーン実装を担当
■企業向けの分散型アプリ構築を手掛ける

Atato(アタト)社が手掛けた食品追跡システムとは?

Atato社はタイを拠点として活動する企業で、おもにブロックチェーン技術を活用したサービスを開発して提供しています。この企業はイーサリアムの共同創設者であるジョセフ・ルービン氏のスタートアップ企業でもあり、コンセンシス社と提携して、企業向けの分散型アプリケーション開発や構築を手掛けています。

このAtato社が手掛けたシステムの一つに、ドイツの食品加工会社と提携して行ったマグロの出所情報をブロックチェーン技術を使って消費者が簡単に情報収集できるシステムがありました。このシステムの開発において、Atato社はブロックチェーン技術の実装を担当しているため、このシステム開発においてはAtato社が大きな役割を担っていたと言っても過言ではありません。

このマグロ出所情報収集システムは、今後の食品加工業界に飛躍的な進歩をもたらす可能性が期待されています。適用できるのはマグロだけではなくあらゆる食品原料がありますし、それぞれの原料に対して、いつどこで誰が栽培して、いつどんな方法で収穫され、どこでどんな風に加工されたのかという点が詳しく分かるので、消費者にとっては大きな安心感をもたらすことになります。透明性がアップするという点で、ブロックチェーン技術と食品加工業界は、今後いろいろな所でコラボすることになると予想されています。

消費者はアプリをダウンロード

Atato社が開発を手掛けたマグロ出所情報システムは、消費者にとって簡単に使うことができるというメリットがあります。消費者はアプリをスマホにダウンロードし、スマホをマグロの缶詰に添付されているQRコードへかざします。そうすると、そのコードにブロックチェーンによって情報が収集され、消費者に情報を提供してくれるというわけです。

消費者は、QRコードを読み取る際に費用が掛かるわけでもなければ、高額なデバイスが必要になるわけでもなく、難しい操作が求められるわけでもありません。スマホに標準装備されているカメラ機能を使って、簡単にQRコードを読み取ることができます。こうしたシステムなら、消費者にとってはショッピングの際に情報を確認した上で買うかどうかを決めることができるため、より公平性が高まると言えるのではないでしょうか。