アラブ首長国連邦の規制当局アブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制庁(FSRA)とは?

 

この記事のポイント

■日本の金融庁と協力してフィンテック企業の規制枠組みを構築
■2018年6月に暗号資産運用規制の包括的な枠組みを施行
■アラブ首長国連邦は外国当局との協力枠組みに積極的

アブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制庁(FSRA)とは?

アブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制庁(FSRA)とは、アラブ首長国連邦において規制を作ったり、取り締まりを行う規制当局です。日本で言うなら金融庁のような位置づけになる政府機関でしょう。

このアブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制庁(FSRA)では、以前から外国当局と協力しながら金融システムにおける枠組みを強力して構築することに積極的で、日本の金融庁ともフィンテック企業の規制枠組みを協力構築しています。ちなみに、日本の金融庁と行った枠組み構築は、アラブ首長国連邦が海外政府と協力枠組みを行った5例目となります。

仮想通貨への規制は確実に進む

アブダビ・グローバル・マーケット金融サービス規制庁(FSRA)では、2016年にフィンテック企業に対する規制枠組みを構築しましたが、2017年には仮想通貨を利用したICOについての規制枠組みも構築しました。

さらに2018年には暗号資産運用を規制するための包括的な枠組みを施行し、確実にリアルな社会が暗号通貨を受け入れる上でのルールづくりがすすめられています。今回の包括的な規制枠組みでは、マネーロンダリングなどの犯罪に関する規制や、暗号資産に関する様々な規制が設定されています。

ICOの規制が検討

アラブ首長国連邦では、2018年現在、ICOの規制が検討されています。これは、仮想通貨関連の犯罪の多くがICO関連のものだという事実が影響していることが考えられていますが、この規制は今後、この国におけるブロックチェーンテクノロジーや仮想通貨の普及においてどのような影響を及ぼすのかについても懸念されています。

規制枠組みの中では、ICOに関するリスクが指摘されているものの、具体的にどんな規制を施行する計画なのかは明らかにされていないようです。しかし、日本やアメリカ、ヨーロッパなどで適用されている規制を採用する可能性もあると言われています。

しかし、まだ実際にICOが全面禁止となっているわけではないため、アラブ首長国連邦にある企業の一つは、リップル社が推進するリップルネットに参加するなど、ブロックチェーンテクノロジーに前向きな企業が増えていることも事実です。今後、どのように規制が強化されていくのかが注目されています。