42-coinとは?
誰もが作れる仮想通貨ですから、中にはほとんど価値のない「草コイン」と呼ばれるものや、何かの冗談で作られたのかと思われる「ネタコイン」も存在します。42-coinもそんなネタコインの一つですが、マニアの間では傑作と言われています。
一体、42-coinが傑作と呼ばれる所以とはどんなものなのでしょうか? この記事では42-coinの3つの特徴について紹介します。
- 42-coinは発行上限42。従って、単価はBitcoinより高い。
- 42-coinの42は有名なSF小説が元ネタ。
- 42-coinの42には、人種差別撤廃への熱き願いも込められている。
Bitcoinよりも単価が高い42-coin
42-coinは、2014年にBitcoinのフォーラムでの「42枚しか存在しない激レアな通貨を作ろう!」という投稿が元になって作られました。
42-coinのアルゴリズムはPoSとPoWのハイブリッド。ですが、すぐに発行上限に達し、市場には42枚しか存在しません。なにせ42枚しか無いので、ちょっとトランザクションが増えるだけで価格が乱高下します。2017年9月には73000円だったものが、5ヶ月後には1600万円、そして2018年2月には700万円と、素人が手を出すと大怪我をしかねない乱高下です。これでも、単価としてはBitcoinよりも大きいのです。
こんな、42枚しか存在しない(通貨として価値が無い)仮想通貨がなぜ人気を集め、傑作と呼ばれているのか?それは、42という数字に秘密があるのです。
42は、宇宙、生命、全ての答え
SFファンならば42と聞いてすぐにピンと来るはずです。それは、「宇宙、生命、全ての答え」だからです。
これは、ダグラス・アダムスの傑作SF作品で、小説や映画、ドラマでも大人気となった「銀河ヒッチハイクガイド」に登場するフレーズです。
作品に登場するスーパーコンピューターであるディープソートが、「宇宙、生命、全ての答えとは?」という問いに対して、750万年計算した結果導きだしたのが「42」だったのです。
つまり、SFファンにとって42という数字は特別な意味を持っているのです。
42は、人種差別と戦った人のシンボル
スポーツファンにとっては、42-coinの42という数字は人種差別と戦った人のシンボルという意味があります。
それは、1940年代から50年代に活躍したドジャーズのジャッキー・ロビンソンの背番号であり、今もMLBで永久欠番とされている背番号だからです。ジャッキー・ロビンソンは、MLB初の黒人選手として人種差別と戦いました。
このように、42-coinの42という数字には、様々な意味が込められていて、人気となっているのです。
42-coinは自由の象徴?
42-coin (42) price, charts, market cap, and other metrics | CoinMarketCap
上記の通り、取引当初は数万だった42-coinは、2018年に入って1000万を超える価格を叩き出しました。ビットコインを遥かに超える価格です。
もはや通貨としての意味も成さず、買うことも難しい仮想通貨ではないでしょうか。また、買うことが叶ったとしても、価格の乱高下が激しいのでハイリスクであることは明確です。
技術面では、42-coinはPoSとPoWのハイブリッドの体制を整えていますが、42枚のコインしかないため本当に一部のユーザーしか技術に触れることが難しいといえるでしょう。
ネタコインと呼ばれる42-coinですが、その背景には壮大な物語が秘められており、多くの支持者がいることは確かです。シンボル的な仮想通貨として、今後も語り継がれていくでしょう。仮想通貨は国家に縛られない自由な通貨であることが証明されたといっても過言ではありません。