スキャンダルが多いと言われるTezosの問題の中でも、とりわけ大きな問題が集団訴訟です。
この集団訴訟により資産を凍結されたり、捜査に協力しなければならず、開発の遅延が伝えられてきました。
しかし、Tezosは先日最終テストとなるBetanetを発表。
それに伴い集団訴訟への対策にTezosコミュニティとして投資家たちに集団訴訟の停止を求めることを発表しました。
集団訴訟までの流れや、集団訴訟対策としての請願書にはどのような内容が書かれているのか、詳しく紹介します。
Tezosの集団訴訟とは?
Tezosの存在をトラブルによって知った人も多いでしょう。
Tezosの集団訴訟の発端は、Tezos財団の会長ヨハン・ガーヴァース氏と開発者であるオーサー・ブライトマン、キャスリン・ブライトマン夫妻の対立です。
ブライトマン夫妻がガーヴァース氏の解任を求めたため、内紛となってしまったのです。
それに影響を受け、Tezosのトークンが配布されなくなったり、取引に制限が出てしまいました。
それに反発し、多くの投資家が「Tezosは詐欺」と集団訴訟を起こしたのです。
Tezosを前進させるために投資家に訴訟の停止求める
The betanet is coming! It is important that all contributors verify their donation. Visit https://t.co/uAZ5E5HRWF to learn more. #tezos #tezoslaunchhttps://t.co/rV6KGVOCNr
— Tezos Foundation (@TezosFoundation) May 29, 2018
当然のことながら、訴訟に対応するため、Tezosの様々なことに遅れが出てしまいました。
公開捜査なども行われ、スキャンダルばかりが報道されました。
しかし、先日、Tezosは本格的な運営に向けて最終テスト段階に入ったことを発表。
それに呼応するように、コミュニティは投資家たちに訴訟を停止するよう請願すると発表したのです。
これにより、Tezosの問題は少し落ち着いたように見えます。
投資家たちが訴訟を停止すれば、Tezosの未来はより明るくなり、開発等ももっとスムーズに進むと考えられるからです。
Tezos訴訟請願書の内容
Tezos Community Petitions to End the Class Action Lawsuits https://t.co/5JtZiDZixy via @BTCTN
— Tezos (@73zos) May 25, 2018
しばしばこれが訴訟に関わっており、アメリカの証券規制法は適応されず、寄付なので詐欺にも当たらない、トークンの配布も保証されたものではないという見解があります。
集団訴訟対策としてTezosコミュニティが投資者たちに以下の10項目を請願したことを発表しました。
- 慈善寄付
- コミュニティの存在意義
- 新しい高リスクテクノロジー
- コミュニティコントロール
- メリットのない集団訴訟
- 集団訴訟を保証するには不十分な害
- プロセスの乱用
- Tezosのセキュリティ
- 1933年証券法適用外
- ブロックチェーンへの期待
行った寄付はネットワークの開発・確立・維持のためのもので、慈善目的であり、開発等にかける当初の投資期間は協力体制をとりたい。
Tezosのコミュニティは、Tezosの取引承認やプロトコル改定の投票のために存在しており、訴訟のためではありません。
現在Tezosの開発は遅延状態にありますが、ブロックチェーンの開発等では通常のことであり、想定の範囲内です。またこれらの技術が未発達でリスクの高いものであることも理解した上で寄付をしてもらっています。
Tezosコミュニティは寄付者、開発者、今後の参加者からなり、理事会や社長によりコミュニティを管理します。また、仮想通貨の目的の一つでもある「非中央集権」を目指します。
現在のTezosに対する集団訴訟にはメリットのないものが多く、Tezosの歩みを遅くするだけだと非難をします。ただし、訴訟の全てが無意味だと認識しているわけではありません。
今回の集団訴訟では、原告は今の所、訴訟するほどの害を受けているようには思えません。むしろ、訴訟により開発等が遅れたためにTezos側が害を被ったと言っても良いほどです。
Tezosにとってこの集団訴訟は開発を遅らせただけでなく、銀行や他の投資家、ビジネスパートナーとのコミュニケーションを取れなくして言います。このように開発が遅れていくことは、現在訴訟を起こしている投資家たちにとっても不利益になります。
Tezosのコミュニティは新たな理事長と理事を任命しており、非中央集権の統治が始まりかけています。しかし、分離状態のコミュニティでは十分なセキュリティ機能を果たすことができません。
Tezosにおいては1933年証券法の適用外です。しかし、今後も続くブロックチェーン等の開発により、この法律と新しい技術が見合わなくなっていくことが予想されます。そのため、この法律を見直すようアメリカ議会に求めました。
・公募されている証券に関し、投資家が重要な情報を得られるようにする
・証券を公衆に販売する際は不実表示や詐欺的行為を禁止する
仮想通貨やトークンと言った考え方がない時代に制定されているため、これらが証券に当たるのかが度々議論されています。
Tezosコミュニティはブロックチェーン技術は社会に大きなメリットを与えるだろうと期待しています。
しかし現在のシステムではブロックチェーン技術のメリットが十分には発揮されないだろうとも感じています。
そのため政府が関わり、これらの新しい技術を取り入れるよう働きかけていきます。
最後に
第三世代と言われる仮想通貨の中で、他とは一線を画す進展ぶりを見せているTezos。
ただ、数々のスキャンダルが露呈したため「このまま消えてしまうのでは?」という不安がありました。
Tezosのシステムが最終テスト段階に達し、メインネットの稼働が見えてきたため、開発者、ユーザー、投資家が一つのコミュニティとしてしっかり機能していくことが必要だと再確認され、訴訟停止の請願へとつながっています。
請願書の内容を見れば、投資家たちも早くメインネットに移行することで投資したものが大きく発展することは理解できることでしょう。
投資期間も定められているので、投資家たちも早くメインネットに移行する方がメリットが大きいと判断するとみられています。