TezosのICOにおけるトラブルとは何だったのか?

ICOによってトラブルとなったTezos

Tezosといえば、2017年7月のICOで約260億円を超える資金調達に成功し、仮想通貨の中でも注目を浴びる存在として台頭しました。
しかし、ICO後の内部紛争によって訴訟沙汰になるなどトラブルにも見舞われ、一時は値が大きく暴落した時期もありました。

ビットコインやイーサリアムなどの問題点を解消出来る仮想通貨として大きな注目を浴びる中でのトラブルは、今後も影響を及ぼすのでしょうか?3つのポイントを押さえながら解説します!

Tezosのトラブルを読み解く3つのポイント
  • ICOとはIPOの仮想通貨バージョンのこと
  • 2017年7月1日から2週間にわたってTezosがICOを行った
  • ICOによって訴訟騒ぎが起こった

仮想通貨の歴史でも注目を集めているTezosについて

2018.07.07

ICOとはそもそも何?

仮想通貨を取り扱っていると、しばしばという言葉を耳にするかもしれません。

これは仮想通貨のスタートアップ時にトークンを発行する代わりに資金調達することです。このICOによって資金調達を行う方式は、2016年ごろから頻繁に取り入れられるようになりました。
投資家がもしそのトークンが欲しかった場合、法定通貨もしくはほかの仮想通貨を使って購入する形になります。イメージとしてはIPOの仮想通貨バージョンと思えば連想しやすいでしょう。

2017年7月1日から、スイスに拠点のあるTezosがこのICOを行いました。

ビットコインの弱点を克服する?

TezosのICOは、世界中の投資家の注目を集めました。

というのもビットコインの弱点を克服するかもしれないと言われているからです。ビットコインは仮想通貨の草分け的存在で、最もメジャーな通貨と言われています。多くの人が購入する一方、問題点もいくつか指摘されてきました。

例えば2017年夏に起きた分裂騒ぎなども、ビットコインの問題点を発端としています。これはスケーラビリティ問題を解決するにあたって、コミュニティの意見のまとまらなかったことが関係しています。解決策で一定の支持が得られないと分裂してしまう仕組みになっているのです。

一方Tezosの場合、ネットワーク・トランザクション・コンセンサスをそれぞれ独立させています。このため、互換性を持たせて分裂の起こらないように工夫されています。

TezosのICOで訴訟騒ぎに?

ICOの結果、Tezosは実に約260億円程度の資金調達に成功しています。これだけ見ても、いかに投資家の間で期待を持たれているかがお分かりでしょう。

しかしこのICOをめぐって、実は問題点も出てきました。Tezosの内部で対立が起きて、トークンの配布がスムーズにいかなくなり、その結果、投資者から集団訴訟を起こされたのです。

最初はTezosのICOの違法性に焦点が当たっていました。しかし徐々に違法性だけでなく、トークンセールス中に発生した資産の差し止めを求めるような訴えも世界中では徐々に起こりつつあります。
この結果いかんでは、TezosだけでなくICOトークン全体の価格にも大きな影響を及ぼす可能性があり、仮想通貨業界では高い関心が払われているのです。

Tezosのトラブルは今後も影響を与えるか?

2017年は激動の1年でしたが、2018年に入ってからは2017年ほどの急騰・暴落は落ち着いていると言われています。
2018年7月には、最終テストネットワークのベータ版がローンチされました。メインへの切り替えの時期の噂もあり、そのタイミングでの値動きにも注目が集まります。

トラブルに見舞われたTezosですが、今後の仮想通貨の未来を背負うコインとしての期待値は依然として高いといえるでしょう。今後の動向にも注目です。

Tezosの今までの価格の推移について検証

2018.07.10