Ryan Jesperson氏がTezos財団の新しい会長に就任




Ryan Jesperson氏はTezos財団の新しい会長に就任しました。

前任はTezos財団創始者のJohann Gevers氏でした。今回、Tezos組織の再編により、会長が交代したことになります。

この記事のポイント
  • Tezosのはじまり
  • 内紛や集団訴訟
  • 新しい会長
  • Ryan Jesperson氏が語る  

Tezosのはじまり

前任のJohann Gevers氏の時代、Tezosプロジェクトは2017年7月、トークンの新規発行による資金調達方法の一種ICO (Initial Coin Offering)により260億円相当もの巨額の資金調達を成功させました

Tezosは、ビットコインやイーサリアムといった従来の仮想通貨の問題点を解決したものです。

ビットコインやイーサリアムでは、技術的なアップデートを行うと、ハードフォーク(分岐)が発生し、アップデート前後の仮想通貨に互換性がないという問題がありました。

一方でTezosはソフトフォークという仕組みを採用しているため、分岐することなくアップデートが実施できるコインで、将来性が大きく期待されたプロジェクトでした

 ハードフォークソフトフォーク
目的ブロックの容量拡大ブロックに入れるデータの縮小
ブロックの分岐(フォーク)永久的一時的
互換性無しあり

内紛や集団訴訟

しかしその後Tezosは、内紛が起こりました。

さらに、それによってトークン配布が滞ったため、投資者から集団訴訟を起こされるという事態に陥りました。

内紛は、Tezosの開発者であり知的財産権の保持者であるArthur Breitman氏とKathleen Breitman氏夫妻が、Tezos財団の社長であるJohann Gevers氏の解任を理事会に求めたことが発端となり勃発しました。

Breitman夫妻側は、Johann Gevers氏の解任が受け入れられない場合Tezosから手を引くと言い、それに対してGevers氏はBreitman夫妻が資金を手に入れるために解任を言い出したと主張しました。

内紛の解決が一向に見えず、トークンの配布も行われないという中、プロジェクトに出資した投資家たちがTezosは詐欺だとして、集団訴訟に踏み切りました。

訴訟の内容は、投資家から資金を集めた今回の行為は、米国の未登録証券の発行であり、米国の証券法違反しているという内容でした。

今回の訴訟は、米国の証券取引法に該当するのかが争点です。

Tezos財団の本拠地はスイスなので、米国の法律は適用されないとの反論もある中、裁判の結果、今回の行為は米国内で行われたため、米国の証券取引法に該当すると判断されました。

以上のようなTezosの内紛や集団訴訟により、Tezosトークンの価値は約60%減となりました。

当然のことながら、訴訟に対応するため、Tezosの様々な開発に遅れが出てしまいました。

新しい会長

訴訟問題が発生したTezosですが、2018年9月にメインネットを立ち上げることができました

メインネットとは、実際に通貨の送金や受取ができる独立したブロックチェーンのことで、メインネットが動作することで、Tezosプロジェクトの普及が期待されています。

メインネットが開始することに伴い、Tezos財団の組織は変更されました。

新しくTezos財団の会長に就任したRyan Jesperson氏は、以前はFinTech業界のDivvy社の最高執行責任者でした。

Divvyに勤務する前は、医療業界に勤務しており、ターンアラウンドマネージャー(経営破綻した企業あるいは経営破綻しかけている企業を再生させることを目的に、経営者として登用される人材のこと)の経験もあります。

Ryan Jesperson氏が語る

Ryan Jesperson氏は、Tezos財団の会長になるにあたり、今後のTezosの展望とその技術革新について語ります。

Tezosのガバナンスのあり方については、次のように語っています。

Tezosは、PoS(Proof of Stake)という承認システムを採用しています。これは通貨の保有量に応じて、取引を承認する権利を与える仕組みです。

ビットコインをはじめとした仮想通貨は、PoW(Proof of Work)という承認システムでした。

これは取引承認を一番早く完成させた人が、その取引の承認権を得る仕組みです。マイニングをより速く行う必要があるため、マイニングコストがかかりました。

PoSはPoWのデメリットを解消する仕組みです。

保有量に応じて承認を実施するため、承認する人や団体が安定します

通貨の流動性が低くなるというデメリットもありますが、承認者が安定することで、Tezosのガバナンスが安定することにつながります

Ryan氏は他にも、Tezosがブロックチェーンの未来で果たす役割や、ブロックチェーンに関する懸念などを語っています。

まとめ

Tezos財団の会長が交代し、メインネットも開始したTezosプロジェクトは、いよいよ本格的なスタートを切ります。

ここまで集団訴訟といった問題もありましたが、Tezosの技術自体は優れており、今後の普及が期待できます。